豊かな自然が残る伊豆沼・内沼ですが、近年、さまざまな環境問題も生じています。かつての伊豆沼・内沼は、透明度が高く、水底まで見ることができ、ジュンサイなどのきれいな水を好む動植物がすんでいました。しかし、周辺地域の開発や農地造成がすすむと、生活排水や農地からの濁水が流れ込むようになりました。沼の水は栄養分が多くなり、浮泥やプランクトンによる濁った沼に変わってしまいました。

 沼が浅くなる浅底化も大きな問題です。伊豆沼・内沼は、もともと長い時間をかけて少しずつ埋まってきた沼です。ところが、近年上流から流れ込む泥や沼の中で過剰に繁茂したハスが枯れて底に堆積することによって、沼が浅くなる速度が速くなっています。

 伊豆沼・内沼で最も大きな問題となっているのが、生物相の単純化です。多種多様な動植物がバランスを保って暮らしていたのが本来の伊豆沼・内沼の自然でした。しかし、近年、ハスが過剰に繁茂したり、外来生物のブラックバスが増加したり、マガンが集中的に分布するなど、ある種類が増えすぎることによって、自然のバランスが崩れてきています。

 伊豆沼財団では、地域の方々やボランティア、大学等の研究機関と協力しながら、本来のバランスのとれた伊豆沼・内沼の自然を取り戻すために、さまざまな保全活動に取り組んでいます。 

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 伊豆沼・内沼では、水質悪化や生物相の単純化、外来生物の増加などの問題があり、昔の豊かな沼の自然を取り戻す必要性が生じたことから、平成21年度より伊豆沼・内沼自然再生事業(宮城県HP)が行われています。事業の内容は、水生植物の復元や魚貝類の増殖、流入負荷の低減、浅底化の防止などがあります。

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〜自然再生事業の取り組みの例〜

 マコモとは、野生のイネとも呼ばれる水生植物です。沼の岸辺に生えており、魚の産卵場所や、鳥の営巣場所として重要な植物です。また、栄養豊富な地下茎は、冬の間のハクチョウたちの餌としても重要です。

 伊豆沼・内沼では、かつては湖岸域の多くをマコモが覆っていました。しかし、度重なる増水や、ハクチョウによる過剰な採食によって、マコモ群落が大きく減ってしまいました。

 そこで、地元の小学校や地域の方々と協力しながら、マコモの植栽活動を行っています。

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 伊豆沼・内沼では、昔から漁業が行なわれており、沼で獲れたフナやエビを利用してきました。ところが、近年増加したブラックバス(オオクチバス)によって、沼の魚やエビが食べられてしまい、漁業ができなくなってしまいました。

 私たちは、オオクチバスが増える前の魚やエビが多かった沼を取り戻すために、オオクチバスの駆除活動を行っています。

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 伊豆沼・内沼では、数年前から湖岸でオオハンゴンソウの生育が確認され始めました。オオハンゴンソウが分布を広げ、在来植物の生息に影響が出ないように、駆除活動を行っています。

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 伊豆沼・内沼の美しい水辺の景観を守るために、毎年クリーンキャンペーン(一斉ゴミ拾い)を行っています。地域の小中学校や企業、団体、一般の方々など、多くの皆様の協力により美しい景観が保たれています。このクリーンキャンペーンは、従来、春・秋の年2回開催しておりましたが、これまでの活動により沼周辺のゴミの量は年々減少してきているため、平成27年度から春1回開催となります。


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 伊豆沼第2・第3工区堤防には、草木や竹林が多く繁茂し、空き缶などのゴミが散乱して、環境保全上の課題となっています。また、こうした樹林化はヨシ原などに代表される湿地環境の消失につながります。そのため、3月に伊豆沼漁協、土地改良区、財団による一斉清掃(野火)を行っています。

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 伊豆沼・内沼には、沼や湿地環境を代表する生き物が生息しています。その中でも、環境の悪化や外来種の増加によって、減少傾向にある動植物を、保護・増殖し、沼に復元する取組みを行っています。

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 伊豆沼・内沼の自然を守るためには、多くのみなさまの協力と理解が欠かせません。伊豆沼財団では、小中学生や地域の方々への講話や、自然体験講座を通して、沼の自然のすばらしさや、それを守ることの大切さをわかりやすく知っていただくために、普及啓発活動を行っています。

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 伊豆沼・内沼がある宮城県北部には、豊かな湿地が広がっており、その価値が国際的にも認められています。また、伊豆沼・内沼周辺地域は、渡り鳥の渡り経路(フライウェイ)の中でも重要な位置を占めています。伊豆沼・内沼では、近隣の蕪栗沼や化女沼をはじめ、国外で湿地の保全に取り組む人々とも連携しながら、国際的にも重要な伊豆沼・内沼の保全活動を行っています。

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